澱酒

新しい職場での、怒濤のごとくの1週間が終わり、今日は久しぶりの休み。
職員の人数が少ない分、一人あたりの仕事量は多く、しかも先が読めない中で次々と仕事を片付けなくてはいけなかったので、体も心もへとへとになった。
1週間しっかりやりきった自分へのご褒美として、今夜は久しぶりに日本酒を傾けてみる。
前の職場の同僚と、最後に行った職員旅行で買った酒。
できあがった酒に火を通して、清酒にする前の濁り酒。
澱酒だ。
Orizake
濃厚な味わいが、疲れ切った身体に染み渡る。
旨い。
いつもあるわけではなく、新種のシーズンにしか飲めない。
しかも、火を通していない分、日持ちしない。
とても贅沢なお酒だ。


渋い色合いのとっくりは、前の職場でともに同じ学年で3年間、2人3脚でがんばった同僚が、子どもの誕生祝いに贈ってくれたもの。
おちょこは、これまた前の職場で、一緒に国語を教えた同僚が退職するとき、仲間に配ってくれたもの。
昔の仲間との思い出を味わうように、酒を傾ける…
昨夜は新しい職場の歓送迎会だった。
まあ、基本的に楽しい会ではあったのだが、まだ僕はここでは何者でもないことを実感した時間でもあった。
歓送迎会は去る者を送るのが中心なので、そう感じるのも当たり前なのだが、周りのほとんどがこれまでの職場でともに仕事をした人ばかりなので、何ともいえない複雑な思いだった。
前の職場で一緒の学年で苦楽をともにしたと思っていた人が、そのことを覚えていなかったのは、ちょっとショックだったけど…
今度は新しいところで、自分が生きた証を刻み込みたい。
僕にとって、仕事って自分が生きていることを、この世に残す大切な営みだと、最近感じている。
どんな小さいことにも、自分の色を織り込まないと、納得できないし…
今夜の酒は、ちょっと酸っぱい思い出の味であると同時に
新しい仕事への決意を、胸に灯すエネルギーでもあるのだ

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