『耳をすませば』を観ました

今日は土曜に出勤した代休で休みだった。
なのに、一日中雨…
せっかく山に行って、久しぶりにバードウォッチングでも楽しもうと思ってたのに(:_;)
仕方がないので、昨日レンタルしてきた『耳をすませば』(プロデュース:宮崎駿・監督:近藤喜文)を観た。
晴耕雨読、ならぬ、晴耕雨観(^^)
実は、宮崎駿のアニメは『風の谷のナウシカ』以来のファン。
もちろん古くは『未来少年コナン』なども忘れてはいけないが。
たいていの作品は映画館まで見に行ったが(『魔女の宅急便』『紅の豚』…)、これは見落としていた。
ようやく観ることができたって感じ。


見終わった感想を一言で言うと、久しぶりにさわやかな気持ちになることができた(^^)
原作は柊あおいなので、純粋に宮崎ワールドとは言えないだろうが、しっかりと宮崎駿の世界に再構築されていた。
目を見張ったのは、現代の日本の風景(京王電鉄が出てくるので、東京の郊外と思われるが)が事細かに描写されていること。
そのせいか、少女小説の世界がぐっと実在感を持って伝わってくる。
主人公の雫の住んでいる団地の描写など、自分が前に住んでいた公団を思い出して、「そうそう、団地にはこういうお隣さんって人間関係あったよね」と感慨にふけってしまった…
ストーリーは雫と聖司の恋物語だが、そこにそれぞれの成長物語を絡ませて、奥行きの深い作品に仕上がっている。
自分の夢に向かってまっすぐに進んでいる聖司にあこがれて、自分も物語を書こうと決意する雫だが、それによってかえって自分の未熟さを自覚し、もっと勉強したいと自分の目標を見つける。
でも、聖司自身も実は本好きの雫よりも早く読書カードに自分の名前を残そうと、がんばってたくさん本を読んでいたのである。
人を好きになるって、その人のものの見方や生き方を自分の中に取り入れ、ある意味無理して背伸びして、自分をその人の色に染めていこうとする営みって言うか…
でも、それが苦痛でなく、むしろ喜びであるという…
ああ、思い出すなあ>高校時代
ラストシーンの朝焼けの中で「結婚しよう」とプロポーズするところ。
「雫、大好きだ!」と抱きしめるシーンが、少しのいやらしさもなくさわやかに感じられて、初恋の純粋さに思わす涙ぐんだ中年男であった(^^)
あと、「地球屋」のおじいさんが雫に「大きな原石は削ってもいい宝石にならない。小さい方がいい。また、見えないところに原石があるかもしれない」って、語るシーン。
仕事柄、いろいろ考えさせられました。
観て損はしない作品です。

5 個のコメント

Skip to comment form

  1. Haruさん、TBいただきありがとうございます!
    『耳をすませば』ご覧になられましたか。気に入っていただけたようでよかった。^^
    この作品ってアニメなんだけど、リアルな部分もいろいろ感じ取れてホントに自分の青春時代を思い起こしてしまいますよね。
    描かれている街並もいいですよね〜
    ぜひ一度、聖蹟桜ヶ丘にもお出かけ下さい(笑)

  2. 観てみようと思ったのも、うっちーさんのBlogを読んだのが一つのきっかけです。
    少女漫画が原作みたいなので、ついていけなかったらどうしようと心配でしたが、さわやかに心配を吹き飛ばしてくれました(^^)
    聖蹟桜ヶ丘の写真見ました。ホントにそっくりですね。
    いわゆる「多摩ニュータウン」のような、開発でできた街なんですね。
    カントリーロードの訳詞を作っている雫が「ふるさんなんてない」というようなことを言っていたのがひっかっかっていました。
    でも、聖司と一緒に見た朝焼けの美しさに、自分の街がふるさとに思えてきたのだろうか…
    二人で新しいふるさとを見つけるのだろうか…
    なんて、いろいろ考えさせられる作品ですね。
    Wisper of the Heartも読みました。
    こんなにいろいろ分析されているとは、やはり奥行きの深い作品ですね。
    返却するまでにもう一度観ておこうと思います。
    では!

  3. わたしにもコメントさせてください。
    『耳をすませば』はスタジオジブリ設立後の作品としては『天空の城ラピュタ』の次に好きな作品です。
    大傑作というわけではありませんが、じんわり心に残るやさしい作品だと思います。作風としては宮崎氏よりも高畑氏に近いですね。
    『赤毛のアン』に代表されるような良心的な作品を生み出してきた近藤氏が亡くなられたのは本当に残念でなりません。

  4. >うた夢さん
    コメントありがとうございます。
    『ラピュタ』も好きな作品です。わかりやすいストーリー、スピード感あふれる展開、胸にすとんと落ちるテーマ、など、ストーリーテリングとしてもよくできていると思います。
    もともと、宮崎作品はわかりやすくおもしろく、なおかつ見た後に胸に深く残るというところが好きだったのですが、最近ちょっと難解な方向に行っているみたいで…
    『耳をすませば』はまさに佳作ですね。
    それゆえ、監督が亡くなられた後も、長く愛されているのでしょう。
    思春期前期の恋を描いた定番・古典として、今後も長く多くの人々に愛され続けることを願ってやみません。
    それでは。

  5. 耳をすませば「カントリーロード」

    耳をすませば
    John Denver
    Poems, Prayers & Promises
    John …

Haru へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスは公開されません

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください