青い心のままで

あまりTVは見ない人間だが、これは見なくちゃと思って、ドキュメンタリーの「ラストデイズ×忌野清志郎」を見た。

RCサクセションの頃はそんなに好きではなかったが、発売禁止になった「Covers」あたりから「このおっさん、なかなか根性あるな」と思い始め、亡くなった後に公表された手紙を見て、そのまっすぐな心に惚れ込んでしまった。

清志郎、彼は本当にロックだった。

音楽業界では、政治的なことを歌うとTVの出演依頼も来なくなり、場合によってはミュージシャン生命も絶たれてしまう。
一見自由で、実は心の中まで管理されているこの国、それに挑んでいった清志郎は、強い人間というより、自然とそうなっていたんだと思う。

彼は幼い頃に母を亡くし、実母の記憶がない。それを知ったのは、中学生の頃。
「やっぱりな」という一見冷めたようでもありながら、自分のルーツを知るということは、中学生には結構ヘビーだ。

清志郎は実母が夫を戦争で亡くしたことを知ったことが、彼の「戦争はいやだ」という思いの原点になっていったと思う。
化粧をして派手なパフォーマンスをする清志郎も、高校時代は目立たない、でも学校になじめない、まあどこにでもいる生徒。

何か、すごくよくわかる。そんなもんなんだよな。ステージの上のテンションも、そでに下がった時のテンションも、両極端でも同じ人間のパーソナリティ。人って、そんなもんだよ。
僕も仕事の時とそれ以外とは、まったく別人みたいにテンション違うし。でも、両方とも自分なんだよね。

ドキュメンタリーとしては食い込みが足りないと思ったけど、僕は共感しながら番組を見ていた。
特に心に残ったことばは、清志郎の「大きな矛盾を抱えながら、自分だけの道を探せ」。
僕のこれからも、そういう生き方を探っていくことになるんだろうなと感じた。

最後に、爆笑問題の太田光が言ってたけど、「子どもの心」を持ち続けないと、何かを表現するする仕事って続かないんだよね。でも、それってものすごくリスキーで、一歩間違うと心ない他人に、無防備な心をずたずたにされてしまう。
世の中、いい人ばかりじゃないからね。

人にはそれぞれ原点、分岐点、決断の時があると思う。
今夜は清志郎に勇気をもらったな。

早速のItune Storeで「Covers」を買おうと思ったけど、扱ってなかった。この連休中にレンタル屋に行こう。
何とか、RCサクセションの「風に吹かれて」をYouTubeで見つけたので、そのリンクを張っておく。

ほんと、答は風に吹かれているね。

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