大阪高生研の総会で講演をしました

少し遅いエントリーになってしまったが、大阪高生研の総会で講演をする機会をいただき、1時間ほどしゃべってきた。
ご縁をいただいたのは、しおちゃんマンさんの「ザ・教室 Blog」で大阪大学人間科学部教授、小野田正利先生の紹介されたときに、コメントつけたところ、注目されたようである。
小野田先生は、僕の勤務する学校でも講演してくださり、「イチャモン」から現代日本社会の病理を読み取る視点に、大いに共感した次第である。
さて、僕がいただいたテーマは「中学校の生活指導〜荒れ・学力・家庭・地域・学校〜」という、とんでもなく深く広いものだったが(^^)、僕が所属している全生研の大阪支部(おおさか生研)で学んだことを中心に、何とか話をすることができた。
僕自身、自分が直面している問題について、その背景にあるものをもう一度整理することができて、こういう機会を与えていただいて、うれしく思う。
初めて参加した大阪高生研の集会は、集まっている人たちも心暖かく、しかもパワーにあふれていて、僕もたくさんの元気をもらうことができた。
お礼をかねて、今大阪高生研で一番旬の本を紹介したいと思う。


僕がこの本でまず気に入ったのが、帯に書かれているコトバ…
「24時間闘えない、フツーの教師」たちのハートウォーム教育実践
…そうだよね、24時間も教師してたら、死んじゃうよ。
僕たちもフツーの人間。家に帰れば、一人の父親だったり、家事に追われていたり…
自分自身、子育ての悩みを抱えていたり…
スバラシイ教育実践を発表されている方は、確かに尊敬するが、誰もがそんな風には生きられない。
でも、この仕事が好きだし、とりあえずこれでご飯を食べるしかない多くの教師たちへの応援歌になりうる本だと思う。
この仕事の人も、そうでない人も、こんな風に日本という国の片隅で、名も知れない多くの教師たちががんばっていることを、知ってもらうためにも、一度手にとってほしい。
ところで、総会の後は、大阪は鶴橋で有名な韓国料理のお店で懇親会。
一見さんお断りのお店なので、ここで名前を紹介することはやめておくが、それはそれはおいしかった…
心もおなかも、満足した1日だった。

9 個のコメント

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  1. 【本】先生の元気のモト

    先生の元気のモト 生徒に一歩近づく高校教育実践 久しぶりに本の紹介をします。 …

    • KOYASU on 2006年1月15日 at 9:14 PM
    • 返信

    その情報実は知ってました。
    大阪の通信をこのところ送ってもらっていたからです。
    どんな話しだったのでしょう。

    • 井沼淳一郎 on 2006年1月16日 at 11:32 PM
    • 返信

    東祢先生、元気のモトご紹介ありがとうございます。さっそく早蕨に転載させて下さい!
    さっき熊本高生研大会から帰ってきました。講師1人分の旅費で4人も参加する、という「よってたかって遊んでしまう大阪高生研」です。これからもよろしく。
    東祢先生のお話、よかったです。問題を抱える子どもを「発達阻害の観点から見る」、特別支援教育ネットワークの方のお話から「発達障害の観点から見る」、それに生活指導が培ってきた「集団のなかで子どもを見る」。この3つの視点からのコラボ実践がこれからを切り開くのでは、と考えさせられました。実はこの点をもっと実践的に深めるために、近畿ブロックゼミ(3月11日・12日in神戸)で、もう一度コラボを企画しようと思っています。いかがですか?

  2. >KOYASUさん、こんばんは。
    自分の学校の様子を語り、その背景にある「発達疎外」の問題、特に「基本的信頼感」「交わりの力」「少年期」の喪失という観点から話しました。
    あと、そういう問題を作り出している、今の日本の社会の状況、つまり「勝ち組」と「負け組」への2極分化、家庭・学校の変質を話しました。
    これからは、ここ数年近畿や大阪で問題意識を持って分析していることです。僕はそこで学んだことを話しただけです。
    でも、聞き手(大阪高生研)の方々がすばらしくて、気持ちよくどんどん調子に乗ってしゃべってしまいました。
    大阪高生研は通信も作り込まれているし、勢いを感じました。同時に、大阪らしい温かさも…
    同じ大阪の中学校教師として(最近元気がないと言われがちですが…)もっとがんばろうという気持ちになれる、とてもいい集会でした。
    実践報告もよかったです。高校でもこんな風に生徒の側にたってがんばっている先生がいるんだと、勇気がわいてきました。
    詳しくは、また「早蕨」で報告されると思います。
    それでは。

  3. >井沼先生
    コメントありがとうございます。
    熊本からお帰りですか? 忙しくされてますね。
    大阪高生研の集会、本当に参加してよかったです。実はレジメの準備に手間取って、完成したのは当日の午前2時だったのですが、その疲れを吹き飛ばすぐらい、聞き手の皆さんがパワフルで、話していてどんどん乗っていくのを感じました。
    どうぞ「早蕨」に載せてください。このブログは教育専門じゃないですが、いやでなければ併せて紹介してくれればうれしいです(^^)
    井沼先生が言うとおり、3つの視点が大事でしょうね。その中でも、おおさか生研は「発達疎外」と「集団づくり」という視点から子どもを見ることを、ここ数年のテーマにしています。よろしければ、一度お越しください。
    近畿ブロックゼミは卒業式前なので、ちょっと動けないかもしれませんが、詳細が決まりましたら、またここにコメントつけてくだされば、足ぐらい運べるかもしれません。
    では、このご縁を大切に、これからもよろしくお願いしますm(__)m

    • 井沼淳一郎 on 2006年1月20日 at 5:19 PM
    • 返信

    そうですね。中学校は卒業式前で一番忙しいのかな。でもぜひ、近ブロでは、中学校の生活指導実践と特別支援ネットワークをコラボした分科会を作りたいと思っています。テーマは「問題を抱える生徒の指導構想」。
    ともすれば問題を抱える生徒に対して、管理一辺倒になってしまう高校教師の、目を開きたいのです。
    東稔先生が無理なようでしたら、どなたか紹介していただけませんか?お話に出てきた木村先生は無理でしょうか?

  4. >井沼先生
    返事が遅くなって、申し訳ありません。
    テーマはおもしろいのですが、少しすれ違いも起こるかもしれません。
    おおさか生研は「発達障害」よりかは「発達疎外」で、今の子どもたちの問題を分析していますし、その方が、よりリアルに現実に切り込めると考えています。
    高生研のレポートも、「発達疎外」で考えた方がより切り込めるのではないかと思えるものでした。
    ですから、このテーマでコラボするなら、事例を事前に絞っておかないと、すれ違いでお互い消化不良で終わる危険性もあると思います。
    僕の問題意識としては、それよりも中学校の荒れを乗り越えるために、「懲戒」をどう考えるか、に興味があります。
    管理と指導の問題は、生活指導の根幹に関わる問題で、今の子どもたちの問題行動の前で、指導を成立させるために、管理の問題をどう考えるのか、強制的管理も含めて実践的に深める必要性を感じています。
    このテーマなら、僕でも何か書けるかもしれません。
    とりあえず、おおさか生研の連絡先を、個人メールで送ります。
    このご縁を、お互いの実践を発展させるためにも、有意義なものにしたいですね。
    長くなりました。
    それでは。

  5.  東稔先生、その節はお世話になりました。
     お元気ですか?
     講演報告、「早蕨」に載せたものを、下記、「高生研滋賀大会応援ブログ」にて転載させてもらい、全国の高校教員に昨今の中学生の状況を少しでも知ってもらおうと試みています。
     ぜひ、3月11日~12日の高生研・近畿ブロックゼミにもお越しくださいね(「保護者のイチャモン~」は、小中の先生にもぜったいオモシロイです)。
    高生研滋賀大会応援ブログ
    http://ameblo.jp/mihiro-y/
     

  6. 佐藤さん、わざわざお越しくださり、ありがとうございます。
    高生研滋賀大会応援ブログ、読ませていただきました。
    こんな風に聞かれていたとは。ちょっとこそばゆい感じでした。
    そうか、20代の先生から見たら、僕はもう「おじさま」なんですね。
    当たり前のことだけど、改めて自分の年齢を実感しました(^^)
    近畿ブロックゼミは卒業式前なので、ちょっと難しいかもしれませんが、都合がつけば顔を出させてもらいます。
    では、これからもよろしくお願いいたします。

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