全国学力テストの結果公表に強く反対する

この学力テストは当初からさまざまな問題が指摘されていた。
生活と学力の因果関係を調べるのなら、抽出のサンプル調査で十分である。
それを全国の小6と中3を全員参加させるのは、子どもたちを序列化させるために他ならない。
それが目的ではないのなら、なぜ都道府県の順位を公表するのか?
今回の騒ぎは、順位の罠にまんまと乗せられた知事と市長に振り回されているのが本質である。
テストには60億円もの予算が使われ、実際の採点・集計は、NTTデータとベネッセが行なう。最初は個人が特定できる集計方法だったが、個人情報が民間企業に流れる問題が国会で指摘され、特定できない方法で行われることになった。
このことからも、このテストは教育を一部の企業に市場として開放することも目的の一つなのである。
今回の問題の特徴として、公表を強要するくせに、府や市からの教育への具体的なフォロー案は何一つ示されていない。公表した場合のデメリットも全く検討されていない。テスト結果の分析も十分なされていない。まず、公表ありきなのである。
このような状態で公表すれば、子ども達は平均より上か下かで一喜一憂するだけだろう。親達は自分の学校の平均点の公表も求めるだろう。十分な方針を持っていない市教委や学校は、さまざまな保護者の要求に振り回されるだろう。
場合によっては、子供の全面的発達を保障するべき学校が、テストの点を上げるだけのこと場に変質させられてしまうかもしれない。
学校間格差がはっきりすれば、親は平均点の高い学校へ行かせたがるだろう。そこに校区自由化が打ち出されれば、公教育はむちゃくちゃになる。
そもそもこの問題は、橋下知事と倉田市長の法を無視した越権行為から端を発している。去年は自主的に非公開を決定した市教委も、市長の一言に簡単に態度を翻し、主体性がないと同時に無責任である。
このような状態で公表しても、子どもと教育に何のメリットもないだろう。
よって、学力テストの公表に強く反対するのである。

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