「世界がもし100人の村だったら」

昨日機会があって、「世界が100人の村だったら」の訳者、池田香代子さんの講演を聞いた。
この現代の民話といわれる話が、どのようにして世界に広がり、いろんな人に感銘を与えてきたかは、上記の本に詳しく書いてあるので割愛する。
ここでは、その続編の本を紹介したい。

話の中身は、「目から鱗」といったものだった。
池田さんは「世界が100人…」の印税で「100人村基金」というものを作ったそうだが、その大部分が、この日本国内にいる難民の方のために使われたということだ。
日本は「難民を強制収容してはいけない」という条約に調印しているのだが、実際は日本に逃れてきた人たちを収容している。
その人達解放する運動に池田さんは協力しているのだが、解放されてもその時に保証金として、国に50万〜70万円ものお金を払わなくてはいけないとのこと。
初めて知った。ひどい話だ。
収容されている人たちは、生きる希望も失い、「もうこんな人生いらない」という言葉を口にする人が多いという。3年もの間収容されて、自殺未遂をはかる人…、出ても国民保険にはいることもできず、病気になっても治療費も払えない…
そういう人たちのために、「100人村基金」は使われているそうだ。
さて、紹介した本に、国連の基準で世界で「裕福層とされる年収」が載っているのだが、いくらだと思いますか?


何と、年収120万円以上です。
この金額なら、下手したらこの日本では高校生でもアルバイトで稼げるかもしれない金額。
これだけで、世界の中ではトップ15%に入ってしまうのだ。日本に住んでいるものはほとんど。世界的に見れば裕福層なのだ。
池田さんの話は多岐に渡っていて、民話と伝説の違いや、国会に戦後ずっと通っている80歳の亜ばあさんの話、マスコミの話、日本国憲法の話など、どれも聞いていて感銘をうけるものだった。
もっと、世界に目を開いて、物事を考え、行動していかなくてはと改めて感じた時間だった。
ところで、国連の人権委員会が。日本の学校制度の「高度に管理的で競争的な状態」の改善を日本政府に勧告している。
「子どもの権利条約」に批准している国として、もっと「子どもにとって最善の利益」が最優先される国になるよう、僕たちも今できることをやっていく必要があるのだろう。
この日本にいたら、見えないことが多すぎる。
そのことに気づかせてくれる本だ。お勧めの1冊。
文字は読めても、政治的文盲にはならないよう、自戒してやっていきたい。

7 個のコメント

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  1. さとうきび畑の唄

    2004年8月4日にTBSで放映した「さとうきびの唄」。その主題歌になっていた「>さとうきび畑」。ざわわ〜ざわわ〜しみじみな歌詞です。それを聞きながらドラマを見て、号泣した。。・゜ ゜・(´д`)・゜ ゜ ・。ワ〜〜ン

  2. トラックバックありがとうございます。
    TB返しておきます。
    収容所っていうのがあるんですね。
    こういうのはマスコミやテレビとかで、
    取り上げそうな話題と思いますが…
    世の中でも知られていない場所なので、
    マスコミを巻き込む啓蒙活動が
    必要かもしれませんね。

  3. わざわざお越しくださり、ありがとうございます。
    日本にはクルド人の難民の方が多いそうですが、クルド人を追いやっているトルコと日本が友好国であるため、政府はトルコの手前、冷たくあしらっているとのことでした。
    もっと、ポリシーを持って行動してほしいものですよね>日本政府
    メディアは第4の権力。
    今それがおかしくなっているときだから、僕たちがマスコミを動かすようなこともしていかなくてはいけないんでしょうね。
    大変なことですが…
    それでは、これをご縁によろしくお願いいたします。

  4. はじめまして。
    多分に同じご職業,しかも小田さんの音が好きなLhacaと申します。
    私も以前自分のお仕事向けサイト(http://www3.ocn.ne.jp/~sessa/)
    でこの著に触れたことがあったのですが,その続編のお話なんですね。。。
    >この日本にいたら、見えないことが多すぎる。
    >そのことに気づかせてくれる本だ。お勧めの1冊。
    >文字は読めても、
    >政治的文盲にはならないよう、自戒してやっていきたい。
    納得です。。
    blogの方,リンクさせて下さい。
    これからもよろしくお願いします。

  5. >Lhasaさん
    お越しくださり、ありがとうございます。
    池田さんの話はよかったですよ。
    決して話が上手という方ではないのですが、事実に基づいた話なので、じわじわと心に迫ってきます。
    「日本国憲法」に関する本も出されていたので、それも是非目を通してみてください。
    憲法のすばらしさを実感します。
    さて、職業も好きなアーティストも、そして世代的にも共通点が多いみたいですね。
    このBlogで仕事のことを直接取り上げることは少ないですが、これをご縁にまたお越しください。
    こちらからも、早速リンクさせていただきます。
    それでは。

  6. こんにちは。これからもよろしくお願いします。
    リンクの方もありがとうございます。
    で,HNなのですが・・
    些細なところ紛らわしくてごめんなさい。(笑)
    Lha〔s〕aの解凍ソフトの方ではなくて,
    Lha〔c〕a(+Lhaca)のソフトの方です。
    一応圧縮と解凍も両方出来るかなって・・
    そんな安易なHNです。よろしくです。

  7. >Lhacaさん
    今度は間違ってないですよね(^^)
    最初には意見したとき、「あ、これは解凍ソフトと同じHNだな」と思ったのですが、2種類あったのですね。
    初めて知りました。基本的にMacユーザなもんで…
    僕のHNは単純に名前の一部です。
    実はもう一つ持ってはいるのですが、門外不出で使っていません。
    本当はそれが、このBlogの名前になる予定だったのですが。
    使う日は来るのだろうか…
    ではでは。

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