「ウォーターボーイズ」を観ました

今日、ふっと独りになる時間ができたので、兼ねてから気になっていた映画「ウォーターボーイズ」をレンタルしてきた。
何で気になっていたかって?
実は僕は、ここだけの話、中学校の水泳部の顧問なのである(あ、ここに書いちゃったら、ここだけの話じゃなくなるね)。
部員達が練習が終わるたび、素敵なダンスを披露してくれて、それが「ウォーターボーイズ」だと知って、これは観なくてはと思っていたのである。

映画の中に「based on a True Story」とあるように、これは埼玉県立川越高校の水泳部が毎年文化祭で披露している男子のシンクロナイズドスイミングに、インスパイアされてできた映画のようだ。
主人公は、廃部寸前水泳部唯一の部員である鈴木。その水泳部に新任の女教師が顧問がつき、その色気に惹かれて、途端に部員が急増。
でも、その先生の専門がシンクロと知り、ほとんどが逃げ出し、残ったのは鈴木を初め、いろんな意味での落ちこぼれ5人。
その5人が、紆余曲折を経ながら、シンクロに挑戦していき、自分に自信を取り戻し、友情を深めていく過程を、コミカルに描いているのだが…


感想を正直に書くと、何も考えずに観たら楽しめる単純な、漫画みたいな映画だ(こんな風に書いたら、漫画に失礼かな)。
でも、ちゃんと観たら人物造形やストーリーの展開に、詰めの甘さやあらが目立ち、大げさな誇張に思わず退いてしまうところもあった。
5人の落ちこぼれの人物形象も浅く、その悩みにあまり同化できない。
鈴木と静子の恋も、もう一つご都合主義で、心に迫ってこないし…
5人が竹中直人の演じるうさんくさい水族館職員のもとで、訓練に励むのはよしとして、たまたま海で練習していた映像がTVで流されて、それを見て急に参加してきたお調子者達と、最後はシンクロを成功させる…
こんなラストって、あまり感動できないよね。
やっぱ、あの5人で最後までやって欲しかった。
まあ、こういう軽さが、かえって受けている原因かも知れないが…
練習のシーンと比べて、文化祭での演技に差がありすぎて、唐突すぎるところももう一つ。
最後になって、鈴木がシンクロにためらうところも、ちょっと強引。
全体的に、人物の描き方が浅いんだよね。
監督の矢口史靖氏は僕より4歳も年下。
30代の人の感性は、こんなものなのかなあ。
公式HPもあるので、興味ある人は一度見てください。
こんな風に書きながらも、もう一度観てみようという気になっているのも確か。
いろいろ文句は書いたけど、高校生の頃って、今から思えば結構単純だった。
あの頃の感覚が、ふとよみがえってきて。
大好きだった女の子との、いろんなラブ・アフェアもいろいろい思い出して…
この映画は、もう青春が遠くなったけど、まだ若い気でいる、そんな年齢の人たちに捧げられたものかも知れない(^^)
頭を空っぽにして、気持ちよくなりたいときに、お勧めの映画である。

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