心から嬉しかったこと

僕の仕事は、tonetalkをつぶさに読んでいただくとわかると思うが…
仕事上とある取り組みの都合で、久しぶりに教え子に連絡を取った。
電話をかけるなり、「あ、先生!」とすぐ思い出してくれた。
用件を伝えると、「いいよ。先生が来いと言うならいつでも行くよ」との返事。
しかも、わざわざ広島から、仕事の休みを利用して。
うれしさが心にいっぱいに広がる。
しばらく、近況などを語り合ったりして、電話を切ったのであった。
もう一人の子も、すぐ快諾してくれた。
彼ももう大学生。
紆余曲折を経て、今は自分の目標を実現して生きている。
そういう、彼の自信が声の力に満ちていた。
それぞれ、7年前、4年前に担任した子ども達。
そんな時間の経過を感じさせず、あの頃のようにすぐ話ができる関係。
あの時、がんばったことは、ちゃんと生きているんだ。


最初のこのクラスでは、文化祭の発表で20分間ロックコンサートを行った。
The Gray、L’Arc-en-Ciel、The Carpenters、The Black Bisketsなどの歌を、バンドを組み、生で演奏したのだった。
あれ以来、うちの学校では音楽中心の発表が定着したのであった。
だが、そのどれよりもレベルの高い演奏であった。なぜなら、夏休みもつぶして、みんな必死になって練習したから。
その必死さは、必ず思い出に残る。
ちなみに、そのときにドラムを叩いた子は、今はT-Squareのドラマーである。
二人目のこのクラスでは、修学旅行で今は懐かしい「はっぱ隊」を踊ったことを思い出す。
文化祭では、よさこいソーランを踊り、和太鼓を叩き、ショートコメディの劇をやった。
何しろ、こういう楽しいことが好きな子ども達だった。
盛りだくさんなことを、みんなの協力で実現していった。
そして、お互いに相手のがんばりを評価する優しい子ども達でもあった。
僕が卒業式で、初めて大泣きしたクラスでもある…
思い起こせば、いろんなことをしてきたなあ。
がむしゃらにやっていたけど、楽しかった。
あれから時間もたち、現場は多忙化がますます進み、授業時間数確保の掛け声の中、どんどん行事が減らされているけど、やはり子ども同士、そして教師との信頼関係もいろんな取り組みの中で培われていくもの。
日本の学校が、教育力を発揮していたのも、授業以外の要素がたくさんあったからなんだけどね。
学校のスリム化、教育の民営化は、この国の未来を必ず滅ぼすものになると、改めて確信する。
それはさておき、久しぶりの教え子との再会が楽しみ。
この仕事は、成果(この言葉もおこがましい。成果は子どもの努力の結果であり、教師のものではないのだから。それで教師を評価するなんて、本末転倒も甚だしい。どの企業で、他人のノルマを横取りすることが認められているのか)がすぐには見えないから、目の前の現象に振り回されがちだけど、やはり10年のスパンで考えないと。
僕たちにできることは、きっと子どもの心を耕すこと。
種をまき、育て、実らせるのは、彼ら自身であり、そして、周りの多くの人たちの力なのである。

2 個のコメント

  1. イイ話ですなー。ぐすん、こっちまで涙がちょちょぎれますよ。

  2. NOVAくん、コメント残してくれてありがとう。
    この仕事は、人間関係が一番の宝物ですからね。
    NOVA君達も、心に残る中学校生活であってほしいものです。
    いい卒業式にしたいですね。
    おっと、その前に受験か…
    あと5ヶ月もないけど、お互いベストを尽くしましょう。

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