まっすぐな道でさみしい

同僚に勧められて読み始めたが、一気にはまってしまった…
自由律俳句の種田山頭火外伝である。

まっすぐな道でさみしい―種田山頭火外伝 (1)
いわしげ 孝
講談社 (2003/07/23)
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出家の身のくせに酒好きで、各地を放浪し、心のままを言葉に紡いだ男
最期は泥酔して人生を閉じた男
こんな自由奔放に生きるのもいいかも
なんて、今まではそんな程度でとらえていた山頭火の人生であるが
…重い、重すぎる…
感想は、簡単には書けないな。


地方の名家の家柄であったが、父親が女遊びに耽り、妾を孕ましたことで、母親は山頭火が10歳の時に、自ら命を絶つ…
その様子を目の前で見て
お母さん子であった山頭火は、心に深い「さみしさ」を抱えて生きることになる。
そんな彼が酒に溺れ、また心の隙間を埋めるかのように、言葉を紡ぐことに没頭するのもよくわかる。
何かを書くって、ある意味自分をさらけ出すこと
ごく普通の常識人には、無縁なことだ。
自分の中に深い欠如があって、それが自分を「書く」という行為に向かわせてやまない
そんな、ちょっと普通ではない精神状態に自分を置かないと、創作のエネルギーは持続しない
だから、何かを書くってとても疲れる。
若い頃はたくさん書いていても、そのうち自然と書かなくなる。
むしろ、その方が幸せじゃないかとさえ思う。
…何となく、僕の中にも山頭火に似たところがあるなと感じながら
今、むさぼり読んでいる。
久しぶりに、お金を払ってもいいと思える漫画だ。
まとまった感想を書くときは、山頭火に敬意を表して
しっかり酔っぱらって、綴ろう。

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