し、知らなかった…

文化庁が「平成15年度『国語に関する世論調査』の結果」を発表し、それについていろんなメディアで取り上げられている。
この調査の目的は

言葉遣いについての関心,敬語の必要性,言葉の書き表し方,携帯電話や電子メールが言葉や言葉遣いに与える影響についての意識等を調査し,国語施策を進める上での参考とする。

というものであるが、慣用句や語句の意味について誤解している人が多いと言う結果に特に関心が集まっているようだ。
国語を生業にしている僕も何気なく新聞を読んでいて、ショックを受けた。
えっ! そういう意味じゃなかったの?
…自信喪失。
さて、みなさんは次のことばの意味を正しく言えますか?
(1)檄を飛ばす
(2)姑息な手段
(3)憮然として立ち去った
(4)話のさわりを話す
(5)外は雨模様だ。
答えは…


(1)自分の主張や考えを,広く人々に 知らせて同意を求めること
(2)「一時しのぎ」という意味
(3)失望してぼんやりとしている様子
(4)話の要点を話す
(5)雨が降りそうな様子だ
さあ、できましたか?
どれも7割近い人が誤用しているとのこと。実は僕のその中の一人でした(^^ゞ
知らなかったなあ、勉強になりました。
でも、これだけ誤用が多かったら、もうそれが正解じゃないの?
「あたらしい」という言葉も「あらたし」という言葉を言い間違ったのが定着したのは定説だし(今でも「あらたに」という言葉に名残が残っている)。言葉は生き物だから人とともに移ろっていくもの。あまり神経質になる問題でもないかな。
調査では携帯電話やPCとの関連性に焦点があるようだけど、僕はあまり関係ないように思う。
一番影響があるのは、小さい頃から体と言葉を介したコミュニケーションが子どもの世界から消えていっていることが大きいと感じている。
長時間労働で忙しい親、TVに子守してもらっている子ども、外で遊ぶことが減り、ゲームで遊ぶことが多くなった生活…
たとえ運動していたとしても、少年スポーツなどで大人の「管理」の元でやっているだけで、自分たちでぶつかり合って、言葉で通じ合ってルールを作った経験が少ない…
今の子達って、草野球をしたことないもんね。
子どもの時にどれだけ多くの言語体験をしたかが重要で、そのためには親との多くのふれあい(体と言葉と)、また友達とのトラブルも言葉の力で解決していく能力を獲得していくことが大切。
今回の調査も、どっちかと言えばインテリの教養主義的な調査なので、知らなくてもさほど実生活で困ることはないと思うが、むしろ僕なんかは最近の、言葉で通じ合うことが難しくなっている日本の状況を問題にしてほしかったな。

3 個のコメント

  1. PCの普及と日本語力の低下

    げきを飛ばす」誤解7割 文化庁の日本語世論調査 日常的にPCを使うようになって、

  2. 誤用とPCとの関連性は何とも言えませんが、字を忘れることは間違いありません。
    やはり書かないと駄目ですね。

  3. Sleepyさん、わざわざコメントありがとうございます。
    確かにコンピュータを使って文を書くようになってから、感じを思い出せなくなったり、同音異義語を書いてしまったり、まるで自分がPCになったみたいなことが増えましたね。
    やはり、基本は手で書くことでしょう。だから、小学生のうちからコンピュータで文を書かせるのはどうかなと思います(このあたりは、タイプライター文化の欧米とは違うのでしょうね)。
    でも、たくさん漢字を知っている方がいいというのは、インテリの教養主義だと思います。生きていく上で必要な漢字はそんなにないでしょう。
    そもそも当用漢字が多すぎますね。
    一説では、500字知っていれば新聞は読めるとか。
    そのあたりももっと、調査してほしいですね>文化庁
    ではでは。

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