JR西日本宝塚線脱線事故に思う

4月25日に起きた尼崎JR事故で亡くなられた107人の方に、心からご冥福をお祈りいたします。
そして、まだ病院で手当を受けられている方、心に大きな傷を受けられた方々に、一日も早い回復をお祈りいたします。
この事故が起きてから、いろんなBlogで取り上げられるのを横目に、tonetalkでは触れなかった。
それは犠牲の大きさもさることながら、この手の事故でありがちな「運転手の責任」にしておしまい、という結果にならないか、調査の推移が気になっていたからである。
1週間たった現在、どのメディアの論調もJR西日本の組織的な体制に根本的な原因があったといったもので、このまま会社としてのあり方にメスが入ることを、強く願う。
競争激化に落とし穴 速さは武器、運行分刻み JR西:asahi.com

事故があった宝塚線も、兵庫県三田市や宝塚市などのベッドタウンと都心を結ぶ同ネットワークの大動脈の一つ。競合する阪急宝塚線に対抗するため、複線化や通勤時間帯の快速列車の高速化や増発で、輸送力を急速に引き上げてきた。ラッシュ時は3〜4分間隔、事故当時も5〜6分間隔で運転し、宝塚—大阪間は最速で23分。阪急を7分上回る速さを武器に客を取り込んできた。


電車が1分遅れると「処分」され、「再教育」を受ける。その厳しさに自殺した運転手もいるという。
「乗務停止処分」になると、月収10万円の減。このように「電車の遅れ」には厳しいが、実際遅れた場合どうやって対応するかは運転手任せ。
これでは、スピードを限りなく上げるしかない…
このように個人の「責任」は追求するが、ATSなど安全装置の設置は後手に回っていた。
今回の事故も、もっと早く設置されていれば回避できた可能性もあると、JR西日本の幹部も認めている。
会社の体質が変わらなければ、同じ事故がまた起きるだろう。今後メディアには、このあたりの問題をはっきりさせてほしいものである。
労働者の人権を守らなければ、そのツケは結局こんな形で罪のない人が払うことになる。
過剰な競争の中で鉄道としての本来の姿を見失うことなく、労働者と乗客の命を守るまともな会社の立ち戻ることを、JR西日本には強く要求せずにはおられない。

7 個のコメント

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  1. 利益優先

    今回のJR福知山線の列車事故に関して「利益優先」がたびたび批判されている。 いろ

  2. Haruさん TBありがとうございました。
    既に事故から一週間が経ち、色々な事実が出てきていますね。
    起きてしまえばどんなに「責任」を果たそうにも失った大切な命は取り戻すことができないだけに、再び起こらぬように直接的な原因だけでなく、この事故の影にある遠因についても踏み込んでほしいと願っています。
    この事故に限らず、同じ構造を持ったものは身の回りに無数にある様な気もします。
    私自身もこれに関連して、色々考えてみようと思います。

  3. JR宝塚線の脱線事故について

    ひどい事故が起きてしまいました。JR宝塚線というのは、私が出張の度に使用していた路線です。この事故は人ごとには思えません。しかし、あり得ない事故です。どのような…

  4. HARUさん,こんにちは。
    TBありがとうございました。
    ご無沙汰してしまいました。今回の事故は私自身自戒するところが多いものです。
    怪我をされ,命を亡くされた方へ合掌するばかりです。。
    BGMに,「人魚姫」をおかせていただきました。ありがとうございます。。

  5. ■理論の命

    先ほどアップしたばかりではあるが,どうしても… 続けてエントリーである。。 ■□■「ハインリッヒの法則」 もうここで述べることではないかも知れない。ただ,同居…

  6. >FAIRNESSさん
    こんばんは。いつも真摯に物事を考え、書き込んでおられるBlogを楽しみに読んでおります。
    この事故に関して、ニュースに取り上げられない日はないですね。それほどに国民的関心が集まっていると思いますが、いろんなニュースソースを見て思うことは、やはりJR西日本の会社のしての体制に、根本的な問題があったということ。
    分割・民営化以来、乗客の安全よりも企業としての儲けの方を優先してきた経営方針が、ここに来て破綻したということでしょう。
    政府が進めてきた公共事業の解体の結末がこれです。層意味で考えれば、一番の原因は政府の方針そのものかもしれません。
    郵政公社の民営化でも、泣く人がたくさん出てくるでしょう。いったい、この国はどこへ行くのか…
    お互い、これからも考えあっていきたいですね。そして、繋がりましょう。
    >+Lhacaさん
    お久しぶりです。
    この事故は僕たち子どもの命を預かり、育んでいく仕事をしているものにとって、他人事ではありませんね。
    乗客の安全が最優先されるはずの鉄道で、儲けが何よりも大切にされていた事実。そのために、人権無視の状態におかれていた運転手など労働者…
    これって、まるで最近の僕たちの職場と似た状態。
    この仕事って、子ども達の成長が一番の目標ではあるけれど、すぐに結果の出るものではない。でも、それを1年という短期で評価される。ならば、安易に方向に行ってしまう危険性があります。
    本当に子どもを大切にするのなら、もっと腰を据えた取り組みをするべきでしょう。
    いろいろ考えさせられる事故でした。
    ところで、「人魚姫」を使っていただき、ありがとうございます。
    ファイルが重くないですか?
    今MacとWin共通の環境といえばQuickTimeしかありませんので、それ用にファイルを作り直す必要を感じています。
    では、これからもよろしくお願いします。

  7. JR脱線事故:原因究明と再発防止に必要な視点

    JR福知山線の脱線事故について、事故当日にJR職員がボーリング大会をやっていとか、事故後に何人が飲み会や旅行をしていたとかいったニュースが、ここ数日ひっきりなし…

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