夜はきみの着物を脱がす。夜の手はふるえている。
すっかり素裸の、きみのからだは影の中でかがやく。
ぼくの声をうんとつかれさせた。あのかしこく、つつましい。
ゼロが とつぜん われて ふたつになる──。
ゆでたまごが ナイフで輪切りにされたときのように。
(ヤニス・リッツォス 中井久夫訳)
☆☆☆
美しい詩に酔う夜。
ヤニス・リッツォスは、現代ギリシャを代表する詩人。
括弧―リッツォス詩集
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ヤニス リッツォス 中井 久夫
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中井久夫の訳もすばらしい。
「ゼロが とつぜん われて」という表現が美しい。
詩は 言葉の 音楽だ。
2 個のコメント
Haruさん、こんばんは。
こちらにコメントを残すのは、久しぶりで、ちょっと緊張しています。(^^)
ヤニス・リッツォスさんという方、まったく知りませんでした。
易しい言葉で書かれた、美しい、良い詩ですね。
夜の、澄んだ空気に触れたような気がします。
紹介されている本、買って、読んでみることにしました。
> 詩は 言葉の 音楽だ。
わたしも、そう思っています。
わたしの思う良い詩には、美しい”流れ”があって、
それは、音楽、ですね。
紹介して下さって、ありがとうございます。
(と、勝手に読者代表になって、お礼を言っています。)
(^-^*) それでは。おやすみなさい。
bkntmrgさん、お久しぶりです。
ぼくもとある雑誌を読んでいて、初めて知りました。
ネットで調べてみると、結構行動的な詩人のようですね。
この人の人生そのものとともに、じっくり味わってみたい詩人です。
自分でもお気に入りの詩が生まれるときって、まるでメロディが口をついてでるように、言葉が紡ぎ出てくる感じがします。
うんうん言って、苦しんで作った詩って、それはそれでいいけど、言葉がうまく流れないというか…
僕はそのときの感じを「神様が降りてくる」って表現しています。
その感じって、説明不可能なんですよね。
曲も同じで、ずっと心にためている期間があって、それがある日突然あふれ出ると、たいてい気に入った曲になります。
でも、ある意味非日常なので、創作は疲れますね。
最近、詩を書くエネルギーも曲もできないのは、日々の生活そのものに疲れているからでしょうね(^^ゞ
であ、また。